「悪魔のいけにえ」でおなじみタブ・フーパー監督のゾンビ映画(広い意味で)です。
彼の作品といえば「狂った人間」ですが、これにも冒頭から登場します。主人公家族が引っ越すボロ家へ案内するオヤジなんですが、とにかくずうっと笑っています。主人公宅は葬儀屋なんですが、そこへ死体を運んでくる際も同様です。
よく笑う人というのは、常に仏頂面の人間より魅力的だと思いますが、何も面白いことが無いのに笑っている人は間違いなく狂人です。漫画家の蛭子能収さんが良い例です。
しかし、前半はこの狂人以外は特に見所がありません。他人に嫌がらせをするのがフルコースディナーよりも好きな若者達が登場して、墓場にスプレーで悪戯書き(世間にはアートと言い張る困った人達も居ます)や小便をするくらいです。
後半から一気に面白くなるのですが、それまでに寝てしまう可能性があるため注意してください。
ストーリーを簡単に言うと、主人公家族が引っ越した家で葬儀屋を始めたところ大繁盛で死体の景気は鰻上り、そんな時にボロ家の地下からコケのようなものが出てきて死体に触れるとアラ不思議、すっかり生前のように活き活きと人を襲うというものです。
グロいシーンはほとんど無いものの、後半はゾンビ映画らしい展開が繰り広げられます。バタリアン4の様なド素人映画とは違い、ツボを押さえた演出で楽しめます。
流石、ホラーの老舗フーパーです。
ゾンビ映画なんて、言葉が話せる程度の知能があれば誰でも作られるだろうと思う人が多いかもしれませんが、そんなことはありません。存在自体が嫌がらせのようなゾンビ映画が沢山有りますが、それだって苦労の末の結果なのです。
そういえば、「悪魔のいけにえ」には「気まずい晩餐会シーン」があって結構笑えるのですが、この作品にもそんなディナーシーンがあります。おかしくなった母親にヘドロのようなスープを出されたあげく、泥の様なゲロを吐いて襲われるところです。
友人の家に行ってこんな目にあったら最悪です。
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