サム ライミ監督が悲劇のヒーローを描き、【スパイダーマン】へと繋がる才能の片鱗を見せつけた隠れた名作。
人工皮膚の開発に余念がない科学者ペイトンは、助手とともに何度も挑戦するがその人工皮膚は99分すると組織が崩れて溶けてしまうのであった。
妻のジェリーが弁護士という仕事柄、ギャングたちの収賄を露わに出来る書類を持っていた。そしてデュランという極悪非道のギャングがペイトンの研究所に侵入、助手を殺し、ペイトンごと研究所を爆発で粉々にした。
執拗な拷問と強烈な爆発により、ペイトンは瀕死に追いやられた。皮膚は爛れ、原型をとどめないほどに醜悪な姿になってしまっていた。妻のジェリーにも会えず、彼はさらに研究を重ね、99分の人工皮膚をまとった。
おかげでジェリーとも感動の再会を果たすがペイトンは復讐心を捨てず、様々な人の顔を人工皮膚で作り、それを被って99分のリミットを背負いながら戦いを挑むことになる。
ホラー映画出身のサム ライミ監督が培ったノウハウが見事に活かされたアクション活劇。
そのグロテスクな描写や特殊メイクへのこだわりはやはり【死霊のはらわた】以来、真骨頂ではないでしょうか。
若かりしリーアム ニーソンの悲しみに溢れる演技、それはマスクをしていてもメイクアップされていてもしっかりと感じ取れる。
人工皮膚が99分しか持たないという意表を突く設定、これがなかなかストーリーにパンチを効かせる。
そして顔を奪われた男がいろんな人の顔を装着して悪を復讐心のままねじ伏せていくのであるが、その爽快感が何やら彼の後の作品に効いてくる気がします。ドラマがなかなか重厚なので贅沢な映画かも。
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