人は孤独になると何を想い、どう行動するのだろうか?
まずは家族、友人にメールなりツイッターなりコミュニケーションをとろうとするのではなかろうか。孤独が好きだという人も、ホモサピエンスの一員である限り絶対に長期間の孤独には耐えられる訳がないのだ。ニンゲンという動物はそういう生き物であるから。
さて、おどろおどろしいパッケージに目が行く本作。
実際はヒロインはもっと可愛いのでご安心を。
だがしかしまあこのヒロインは重度のコミュ障でありますな。
そんな可愛らしくサイコなメイちゃんの常軌を逸した行動と、感情をうまく表現できないが故の切なさや哀しさに驚愕する作品。
動物病院に勤めるメイが、とあるきっかけから異性と付き合い始めるのですが、何せ今までに恋人どころか友達すらいなかったもんだからさぁ大変。何を話せばいいのかすら分からず、しどろもどろになる始末。挙句冷たく彼氏にフラレたメイは愛する人形に八つ当たり、猫を殺してまさに世紀末モード突入のお知らせ。
「友達がいないなら造ればいいじゃない」
マリーアントワネットもビックリな発想に至ったメイは勤め先の病院からメスだの鋸だのを持ち出してクローベリングタイム!
各部位の素材を集めて自分だけのお人形さんを作りたいでござるの巻。モンハンか!
しかしながらこの少女、職場仲間のレズ友やらパンクロッカーなグミ野郎など、可愛い外見ゆえに向こうから人々が近寄ってくれるのです(この後犠牲者になるとも知らずに)。そういう意味では割と勝ち組。ふつうはこれだけ根暗だと誰も歩み寄ってくれないもの。
流れに逆らわずに進むことのできない少女。なぜそこでそんな反応をするんだイライライライライラ…となることもしばしばあります。しかしそれは個人の性格。この人にはこの人の生き様があるのだと自分を説得。
R15指定だけどほとんどグロくない。どっちかつーとホラーより切ないラブストーリーのよう。
メイさんが自分はとことん不幸だと思っているが、世の中にはもっと辛い人生の人もいる訳で…。その辺が満足度絶頂まで行かない所以。変わったテーマというか作品なんで一回は観る価値あると思いますよ。
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