この「ゾンビ革命 フアン・オブ・ザ・デッド」は、なんとキューバ産です。
キューバと言えば、と聞かれても「野球・・・キューバ音楽・・・社会主義・・・革命・・・急場を凌ぐ、なんつって」とダジャレを思いついてしまうほど、興味の薄い(個人的に)国です。
チェ・ゲバラという、焼肉のタレみたいな名前(それはエバラ)の革命家も、キューバの人だというのは、たった今ウィキペディアで知りました。
世界のみんなはきっと、キューバの現状なんて知らないんだろうな・・・。
きっと監督は、このゾンビ映画でみんなにキューバ観光を楽しんでもらおうと思ったのでしょう、映画内で「キューバあるある」をキューバ音楽にのせてたっぷりと、勿体付けずに紹介しています。
個人的に驚いたのは、日本でいう「夜這い」を、キューバでは真昼間から堂々と行うことです。
日本だと夜這いというのは秘められた因習ですが、キューバの人は鼻歌混じりに忍び込んで、他人の奥さんとヨロシクやってしまいます。
しかも、主人公がです。
みんなが共感して然るべき主人公がこうですから、ちょとしたレジャー感覚で頻繁に行われているんでしょうね。
社会主義も悪くないと思える瞬間です。
ただ、無邪気なのは結構ですが、ちょっと気になる部分もあります。
この映画では、ゾンビを殺すつもりがウッカリ普通の人を殺してしまうという描写が何度も出てきます。
通常の映画だと非常に重たい、シリアスになる場面ですが、この映画では完全にギャグとして描かれています。
しかも、何度も、何度も!
最初は「ちょっとコレどうなの」と眉をひそめましたが、途中から爆笑してしまいました。
キューバでは人の命は軽いようですね。
ウッカリ人を殺めてしまっても「殺人?ドンマイ!そんなこともあるさ!」と明るく踊りながら、また夜這いに出かける。
そんな明るく朗らかな人間性が窺われます。
全編に渡って、真面目に観ている人の気持ちを逆撫でるようなギャグのオンパレード。
いかにもゾンビ映画的な展開が来ると、決まってそれを茶化します。
監督はゾンビ映画が好きなんでしょうが、かなりバカにした気持ちが強いようですね。
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