ゾンビで有名なロメロ監督の映画の、リメイク作品です。
全体の展開なんかは今のゾンビ映画に影響を与えまくってる、というかそのまま真似されているので、この映画を初めて観た気がしない人も少なくないでしょう。
ただし、この映画で凶暴になる人々は、正確にはゾンビではありません。
文字通り「クレイジーズ」、つまり、なんだか人が殺したくて殺したくて、その膨らむ気持ちを曲にして歌ったり、絵に描いてみたり、2ちゃんねるに書き込んでみたりするのでは解消できず、ウッカリ有言実行してしまう人々です。
なあんだ、結局ゾンビ映画じゃないか、と思う方々。
みなさんはゾンビに対して何を求めるのでしょうか。
ゾンビのゾンビであるが故のチャーム(魅力)とは、「人肉を元気いっぱいモリモリと食事する楽しさ」「頭に銃で涼しい風穴を豪快に開けられる茶目っ気」「一人では何もできないけれど、みんなで力を合わせることで街を壊滅するぐらいはできるんだ、という団結の大切さ(毛利元就と三本の矢のエピソードの、ハリウッド版)」ではないでしょうか。
ところが、この映画のクレイジーズ共ときたら、食事はしない、死人じゃない、一人でもそれなりに強い(教訓にならない)と、お話になりません。
お前ら、それでもロメロ爺の息子か!と恫喝したくなります。
ゾンビが好きで好きでたまらない息子。
そんな息子のために、DVDショップでゾンビ映画を探すお父さん。
「店長、イキの良いゾンビ映画ないかな?」
しかし、店長は名作コーナーを潰してK-POPコーナーを増設するような軽薄な男だったので、ゾンビ映画のロマンなど理解するはずもありません。
コメントをするには会員登録が必要です