サバイバル・オブ・ザ・デッド 怖さやスリルがあまりありません

この映画、基本的にホラー映画としての怖さやスリルがあまりありません。
ゾンビが倒されるシーンは、どちらかというとギャグシーンのように撮られています。
話自体は結構シビアな展開をするんで、ゾンビが登場するとちょっとホッとするくらいです。
きっと「面白いゾンビの倒し方」というメモ帳をロメロ監督は持っていて、朝起きた時に夢で見た倒し方等を忘れないように記入したりしているんでしょうね。
これだけたくさんゾンビ映画ばかり撮っていると、モチベーションを上げる殺し方を考えるのは至難の技でしょう。
そんな感じなんで、この映画は自ら作り上げたゾンビ世界を舞台に、ホラーではないちょっと異色のドラマを繰り広げてみたかったのではないでしょうか。
本筋をいうより番外編といった気がします。
ガチのゾンビ映画を期待した人には期待はずれに感じる人もいるでしょう。
個人的には素直にこの物語を楽しむことができました。
さすがロメロ、やっぱ安心して楽しめる職人芸だな~とも思いました。
ちゃんとゾンビファンに対するサービス的なシーン(食事など)も登場しますし、ユニークな特殊メイクもたっぷりと見ることが出来ます。
「そんなに悠然と撮ってる場合か!老衰で死んじゃうだろ!ちゃんとゾンビサーガにケリをつけてくれよ!」
と願うファンの気持ちも分かりますが、期待に応えてゾンビ映画ばかり撮ってくれているのは間違いないんですから、1本でも多くロメロのゾンビが見れてありがたいというくらいの気持ちで次回作を期待したいものです。