少女を主役にした残酷青春物語+スプラッターな内容で、クライマックスの恐ろしさと悲しさは強烈なインパクトがありました。
この「怨霊の森」も、主人公は少女で、登場人物のほとんども女性ばかり。
ラッキー・マーキーなんていうポップで能天気な名前のこの監督は、少女が好きなんですね。
少女が好きな変態ホラー監督といえば、ダリオ・アルジェントでしょう。
もういい歳だと思うんですが、相変わらず自分の娘(やさぐれた女番長風、刺青有り)を主役にしてホラー映画とか作ってます。
この人の超有名作に「サスペリア」という映画があるんですが、「怨霊の森」はもろにそれを意識した内容となっています。
全寮制の女子高、少女同士の確執、そして魔女・・・。
どうもラッキーはダリオが大好きみたいですね。
一番作りたい映画を作ったら、結局サスペリアのリメイクみたいになってしまったんでしょう。
これと似た結果を招いたのが、ニール・マーシャル監督の「ドゥームズデイ」です。
「ディセント」が評価され、好きな映画をお金をかけて作れるようになった瞬間、「マッドマックス」のリメイクみたいな馬鹿映画を作ってしまいました。
監督はノリノリで作ったはずですが、多くの人の当惑と失笑を招く結果に・・・。
「怨霊の森」も、かなり監督自身の好みが反映された、自分にとって完璧な映画なのかもしれません。
「少女もたくさん出しました!少女同士の苛めシーンや乱闘シーンも入れました!怪しげな魔女3人も乱入!ユニークでしょ?斧で頭もカチ割りました!コレ、決め手かな?ぜ~んぶ入って、時間は90分ポッキリ!今すぐお電話を!先着10名様にはな~んとビックリ、「死霊のはらわた」の主演ブルース・キャンベルもお付けしますよ!番号間違えんなヨ!」こんな、(監督が思う)必要なモノを全部乗せした高級ドンブリのような映画なんだと思います。
この監督と趣味がバッチリ合う人にとっては、最高に楽しい映画だと思います。