ホラー映画には、いろんなタイプの殺人鬼がいます。
基本的に殺人鬼がいろんな人を殺していくというお決まりの展開は崩せないので、舞台や殺人鬼自体に個性を出すしかないからです。
警官だったりピエロだったりインテリだったりレスラーだったり子供だったり・・・。
この映画は、なんと重度障害者が殺人鬼となっています。
重度障害者を演じている殺人鬼、というわけではなく、正真正銘の重度障害者が殺人鬼なんですね。
殺人鬼映画もここまで来たか!という感じです。
これが例えばミステリー映画で、とても犯行できそうにない重度障害者がトリックを使って人を殺す、というのならありそうですが、これはまさにホラー映画的にナイフとかで刺し殺したりします。
無茶するな~と思いますよね。
実際、主演の方のインタビューを読んだら、かなり無茶な撮影だったみたいです。
主演の住田さんは本当に重度障害者の方なんですが、低予算映画の過酷な撮影に放り込まれ、冬に雨の中や深夜までの撮影の際には「死ぬかと思った」と漏らしています。
内容については映画が完成するまで知らされず、ギャラも無し・・・。
これ、本人が納得しているからいいものの、「虐待」か「電波少年のロケ」並みの酷さですよ!
住田さんが話していた内容で非常に共感できたのは、障害者を「お涙頂戴」とか「頑張る障害者」としてばかり描くのはやめて欲しいという部分でした。
今の世の中では、障害者はそういった描き方以外ではテレビや映画に出演することもままなりません。
障害者が悪いことをしたり下品なことをしたりする描写があると、すぐに「差別を助長する」とか言い出す連中が登場して、すべてを無かった事にしようとします。
彼らにとっては、障害者は自分たちの都合の良い存在(気の毒な弱者としての存在)でなくては困る、つまり「人間」であってはならない存在なんでしょう。
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