香港産のゾンビ映画。そういえば最近香港映画って観てなかったな。香港のゾンビ映画というと真っ先に思い出すのはキョンシーですが、本作は『ゾンビ』や『バイオハザード』辺りを意識した現代風のゾンビ映画になってます。原題が『Bio Zombie』。まんまですね。
とあるモールで違法DVDの販売を行ってるモーディとビー。彼らはうっかり車を運転中に人を轢いてしまいました。
彼の持っていたジュースをとりあえず飲ませてみますが、これが実はゾンビを生成する薬品だった!ということで男をトランクに積んで職場のモールに向かった彼ら。男はトランクを脱し警備員を襲い、程なくモールはゾンビの巣窟になってしまう・・・というお話。
主人公のモーディとビーは金に困ったら平気でモールの客を強盗するクズ男。
彼らに指輪を盗まれた短髪クールビューティのサイギュンは何故かモーディと恋に落ちちゃいますが。そして彼女に片思いしている寿司屋のメガネは後にゾンビに噛まれてしまいます。ストーリーはこの4人を軸に展開。
香港映画らしいユルいタッチで開幕するのですが、後半は結構ハードで鬱な展開が待っています。決して出来はよくないんだけど、何故か心に引っかかる作品となりました。
面白かったのが2点。まず一つはゾンビ化した寿司屋が、それでもサイギュンに対する恋心を忘れない点。この人のび太が実写化したらこんな感じだろうな、というルックスの持ち主ですが。ちなみに彼がゾンビ達に振る舞う寿司のネタは、切り取った人間の指でした。おええ。クライマックスで絶体絶命のピンチとなったモーディ&サイギュンの前に現れる寿司屋。彼が駐車場のシャッターをこじ開けてくれるんですが、その後に他のゾンビに襲われ食われちゃう。共食いですか。でもこのシーン無駄に泣けるんですよ。
もう一つがモールを脱出した二人に訪れる結末。
このレビュー観て作品探す人もいないだろうからネタバレしちゃいますが。ガソリンスタンドであのジュースが問題の発端だったというニュースを観て慌てるモーディ。しかし車に視線をやると既にサイギュンがそのジュースを飲んでる。呆然とするモーディ。しかし悩んだ末に彼が出した結論は、彼もジュースを飲んじゃう、ということだった。救いのない結末なんだけど、これが不思議と余韻を残します。
DVDの特典映像で別エンディングも収録されてるんですが、こっちはゾンビ化した彼女に襲われてオシマイ。こっちにしなくてホントに良かったな、と思う。
あとは質屋のコイさんのクズっぷりかな。皆で逃げる途中でエレベーターに乗ったら定員オーバーのブザー。なんと彼は仲間の女の子をエレベーターの外に追い出して逃げちゃうという。ドクズだけどこういう展開は結構リアルに感じて怖いっすね。
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