始まってすぐに、「アッ、この映画は地雷だな。」と、誰もが思うことでしょう。僕はアンビリバボーの再現VTRか、大学の学園祭かと思いました。この時点でまだこの映画に期待できる人はポジティブ過ぎです。
しかし、映画は無情にも進んでいきます。主役である郵便配達員は、配達中にも関わらず煙草を吸いまくり、酒を飲み、郵便物を投げ捨てます。
さらには郵便物を家に持ち帰り、近所の悪ガキを誘って一緒に中身を物色します。他人の手紙を乱暴に読んで勝手に内容を変更したり、小包の中の「こわれもの」を面白半分に破壊して再パッケージしたり、ダッチワイフを発見して爆笑したりします。
ホラーなのに、やってることは中学生の悪ふざけみたいでなかなか笑えますが、利用者からすれば嫌な気持ちになるでしょうね。
当然市長(黒人)の所にも苦情が山のように寄せられます。しかし市長はフランクな人で、苦情の内容(手紙が犬の糞に刺さっていたとか、年金小切手をポストの内側に糊付けしてあった等。)に大受けです。
おまけに市長の息子(黒人2名)は、麻薬を売ったり昼間から女子高生をトップレスにしてプールでビールを飲んだりするドラ息子で、その秘密を配達員に知られたために何もできません。民営化を後悔するばかりです。
極めつけは、市長の巨乳秘書はなんとレズでした。
監督は何をやりたかったのでしょうか。「郵便がなんだ!」とか言いながら郵便物をドラムカンで一気に燃やしてるシーンなどを見ると、監督は配達の経験があるのでしょう。当時随分嫌な思いをし、そのウップンを映画で晴らしているようです。とにかく郵便物をぞんざいに扱う描写だけは見事です。