製作総指揮がギレルモ・デルトロ、というだけで、映画好きの方なら気になる映画かもしれない。
実際に私もその一人でした。
映画は、一人の男が妻を殺し、娘2人を連れて逃げるシーンから始まる。
時は経って5年後。
行方不明になった男、そしてヴィクトリアとリリー。
男の弟、ルーカスとその恋人アナベルがこの映画の主人公である。
ルーカスは弟と姪2人を必死に捜し、ついにとある小屋でヴィクトリアとリリーが発見される。
しかし2人とも少しおかしくなってしまっており、精神科へ。
彼女たちには「母」が必要だと考える医師は、2人をルーカスとアナベルに育てさせることにする。
そこで生活していくうちによくある「不可解な現象」が起こり始める、というのがあらすじだ。
まずおかしくなってしまった姉妹が、恐ろしい。
まだ幼い中人の手を離れ、「人」では無くなっているのだ。
どうやって撮影が行われたのか、DVDを買って知りたいと思っている。
(DVDを買って知れるのかどうかわからないが…)
アナベルは、見た目からもわかるように、まだまだ遊びたい盛り。
バンドを組んでいたり、まだルーカスといちゃつきたい。どちらかというと、母性の欠片なんか無い。
そもそもまだルーカスと結婚していないアナベルにとって、姉妹は完全に他人なのだ。
それも、あからさまにおかしくなってしまっている。不安で仕方ないのはそりゃそうだ。
それが「不可解な現象」からヴィクトリアとリリーを守るために、少しずつ母性を芽生えさせていく。
その微妙な心境の変化が、まず一つの見所だと思う。
そして、大事なのは映画全体、その雰囲気。
どことなく暗い雰囲気に、はっとさせられる視線の使い方。
かなり切ないストーリーに相まって、独特の雰囲気となっている。
ギレルモ・デルトロお得意の雰囲気と言えば想像がつく人もいるかも知れない。
ただ、大きく評価を分けるのが、いわば「お化け」がはっきりと登場するところだと思う。
ネタバレになるのではっきりとは言えないが、姿を現し、手を伸ばし、追いかけてくる。
不気味な動きだと感じる人もいれば、ギャグだと感じる人もいるらしい。
そういった演出で冷めてしまう、という人には、この映画は少なくともホラーとしてはお勧めできない。
切ないストーリー、感情、映像
そういったものを楽しみたい方にはおすすめの作品です。
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