1974年に公開されたエクソシストの大ヒットで雨後の筍の様に、
ホラー映画が製作されたが、そのほとんどはB級映画だった。
オーメンはそんな潮流の中、1流キャストと、1流スタッフが
集結して作られた、ヨハネの黙示録をテーマとした1作である。
ヨハネの黙示録と言うと、欧米では馴染み深いが、日本人には
イマイチピンとこないテーマではあったが、666の獣と言う
インパクトのある設定で、馴染みがない日本でも理解され、
大ヒットした。
ホラーでありながら、ゴシック調で、沈静に進むストーリーの
中、静かなる残酷さで興味深い1本となっている。
殺害方法がバラエティに富んでおり、今までに無かった新機軸
の映画でもあった。
現在では、死海の洞窟で最古のヨハネの黙示録の最も古い文献
が見付かり、獣の数字は666ではなく616となった今では
多少説得力は薄れたが、それでもこの映画の不気味さは色褪せ
る事は無い。
この映画をキッカケに聖書や、ヨハネの黙示録も日本で認知
される様になり、信者こそ増加した訳ではないが、欧米には
こういう宗教があると言う認識だけは定着した。
ホラー映画としての見どころとしては後半部分の首チョンパ
が何と言っても話題を呼び、伝説化されているほどである。
確かにCG全盛のご時世にあって、現在観れば大した特殊効
果ではないと感じる人もいるだろうが、当時の技術としては
相当なものであるし、こういう特殊効果を経て現在の特殊効
果があると言っても過言ではない。
映画好きであれば、そういう意味でも必見の1本だろう。
グレゴリー・ペックの渋い演技も見どころで、ストーリーも
プロットも安定した映画である。
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