"ホラー・サスペンス映画の金字塔とも言われる『ソウ』という映画は、グロテスクさが全面に出ているため、グロテスクな映画という偏見を持たれがちですが、ソウの本質はグロテスクな演出よりも複雑かつ簡潔に描かれているストーリーです。
あらすじは荒廃したバスルームに閉じ込められたアダムとゴートンが少ない手がかりを元に脱出を試みるというサスペンスではありがちな内容となっていますが、特筆すべき点は奇想天外なストーリーで特にラストシーンに関しては誰しも想像できないものとなっています。
低予算ながらもホラー的な演出と作りこまれたストーリー、そして奇想天外な物語進行は『ソウ』でしか味わえないものがあります。ですがグロテスクな演出が先走りすぎている感も強く、特にグロテスクな内容が苦手な人にとっては苦痛となってしまう場合があります。
また物語そのものも今作のみで完結するわけではなく、シリーズものとなっているので飽きずに楽しむことが出来ます。
ストーリー以外では、犯人である猟奇殺人犯ジグソウの心理描写や目的なども見どころの一つとなります。特にジグソウの心理描写に関しては次回作以降にも強く影響しているので、印象に残りやすいと言えます。
物語そのものは難解ではなく、物語終了時に粗方の謎は解けるようになっているのでもどかしい感覚に陥ることはありません。ですが、真犯人のジグソウの明確な動機が現れることはないので、シリーズ通して楽しむことができるという点もひとつのメリットです。"
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