"ホラー映画の代名詞と言われることも多い『呪怨』は、無差別な呪いを主題においた独特なストーリー展開が特徴的な映画です。
あらすじは事故物件である佐伯一家の住んでいた家に越してきたとある家族を中心としてその周囲の人々が、呪いの発端である佐伯伽椰子に無差別に呪い殺されるオムニバス形式で、それまで特定の人物のみに向けられるという呪いの概念を大きく覆した映画でもあります。
オムニバス形式という形式上、時系列はまちまちでそれらの構成も視聴者に委ねられるという独特な形の映画で、一度の視聴で全ての物語が把握できる程単純なものではなく、見応えのある映画となっています。
ストーリーは非常に良く出来ていますが、オムニバスという都合物語そのものが非常に難解になりやすく、その上物語は「呪いの発端である佐伯伽椰子が無差別に呪いの家に関連した人物を殺害していく」といったシンプルなもので、救いも何もありません。このような都合、何らかの変化を期待していた視聴者からは賛否両論の声があり、難解過ぎるシナリオも賛否が分かれる要因でした。
ですが恐怖演出、細かなストーリーとその接合性などは作りこまれたもので、現代のホラー映画にはない狂気さを持ちあわせていて、ホラー映画の代名詞ということも頷ける出来栄えとなっています。視聴者を選ぶ映画ではありますが、不気味かつ猟奇的な物語構成は他のホラー映画よりも数段高クオリティなものとなっていて、オムニバスの特徴をよく掴んだ良作であることは確かです。"
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