"ホラーゲームの代名詞とも言われ、映画化もなされている『サイレントヒル』は、批判を受けやすいゲームの映画化の中でも屈指の良作としてあげられることの多い作品です。
サイレントヒルの世界観を見事引き継ぎ、それでいてゲームの中の不気味な雰囲気を実写という限られた素材の中で再現した映画版サイレントヒルはゲームの映画化の中でも最高峰と言っても過言ではありません。
あらすじはゲームのあらすじを引き継ぎ、サイレントヒルという閑静な街に向かう途中、主人公の娘が行方不明になり主人公が娘を探すという実にシンプルなものです。
サイレントヒルという街自体が極めて狂気的なもので、街を彷徨う人間に対して全く別の顔を見せるという特徴があります。この点ではゲームの中ではっきりと設定が立っているのですが、残念ながら映画では細部の設定が語れること無く終了します。サイレントヒルは主人公を始めとする多くの人間の心理状態に影響を受け、通常の閑静な街の表世界と、普段の姿からは想像もできない血錆にまみれた裏世界の二つがあり、その二つを行き来しながら物語は進行します。
なんといっても魅力なのはゲームの演出をそのまま再現したような演出と作りこまれたストーリーです。特に演出の出来は数あるホラー映画の中でも最高峰と言ってもよいでしょう。ストーリーも難解ではありますが理不尽というわけでもない丁度いい難解さがあるので、見て終わりということにならないのも良い点です。
ただしゲームとの結びつきが強すぎて、ゲーム未経験者には少し分かりづらいところも多々あります。それでもゲーム未経験者に配慮した構成になっているため、ホラー映画としての出来は素晴らしい物があります。"
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