殺人魚フライングキラー B級映画ファンの心を擽りまくる設定

パニックホラーやゾンビ物に軍が絡んでくるのは最早お約束と言えますね。最初にこのネタを作った人は誰だか分かりませんが、話として分かりやすいし非常にシニカルだしベリーナイスです。この作品ではピラニア+トビウオ=殺人兵器という、B級映画ファンの心を擽りまくる設定を作ってくれました。

どんな大物監督や俳優だって、下積み時代があるのは当然です。ジェームズキャメロンと言えば『タイタニック』『ターミネーター』を挙げる人が殆どでしょうが、初監督作品はまさしく「こんなんなっちゃいました」的なもんなんです。私は、こういう経歴こそ大事だと思います。大作にはない人間的な温かさ、一生懸命さ、そして映画への愛が痛いほどに伝わってくるからです。

このフライングキラーだって、企画の段階からみんな必死だったんでしょう。なにしろ、資本的に厳しい状況。削れる所は削らなければならない。魚による迫真の演技のために、フレームの外から棒とか糸とか使ってピチピチさせて、あとは役者の痛がり方次第。いつも思うんだけど、プラモデルやCG相手にのたうちまわる俳優って、本当にすごいと思います。役者の世界って厳しい!!

ただ、人間ドラマ部分を多くしてしまったのは好ましくないですね。きちんと作ろうという気持ちは分かるんですが、せっかくの下積み時代なんだからもっと終始メチャクチャにやって欲しかったです。後から名前が売れちゃって、B級映画が撮れなくなっちゃうんだから。