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シャドー ダリオ・アルジェントの初期の秀作

ダリオ・アルジェントの初期の秀作。何度も繰り返し見ているけれども、ストーリーを忘れた頃に見ているからか、毎回楽しめる。

まず、この頃のアルジェント作品は、まだストーリー展開がきちんとしている。少々おかしくね?と思う箇所はあるけれど、破綻と言うほどではない。推理ものとして十分楽しめる。

また、殺人シーンがとにかく素晴らしい。特に、レズのカップルが殺されるところ、犯人の視点と重なるように、クレーンでカメラが移動していく。音楽はもちろんシモネッティ。画面が青い屋根一面で満たされて、その後鮮血シーンへと移行する。シャツの使い方もうまい。最後の方の斧で腕が切断される殺し方も好きだけれど、やっぱりレズカポーのアパートを覗き見るようなカメラワークがたまらない!

物語は至極分かりやすいのだけれど、逆に分かりやすすぎる気もする。最後、犯人の動機が語られるけれども、あんな分かりやすい動機を用意せずに、男性が根源的に持っているペタジーニ・・・・じゃなくてミソジニーってことにしておいた方がスッキリするのでは?あ、でもそうなると、動機が重なりすぎるのか・・・ムニャムニャ。

とにかく、大好きな作品。アルジェントはこの後、「フェノミナ」という、ホラーの皮を被った少女映画の傑作を撮りますが、以降は徐々に下降線を辿って行きます。残念ながらもう、この頃の様な映画は撮れないでしょう。今ではもう、彼にサインを求める様なファンもいないのかな、と思うと少し寂しくなります。 またこういうの作ってくれよ、ダリオ。