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スリープレス 全体的に散漫

被疑者死亡で解決したはずの連続殺人事件。

17年の時を経て、再び同一犯によるものと見られる殺人が繰り返される。

当時事件を担当していた元刑事と、17年前に母親を殺された青年が事件の謎に迫る。

殺人は子守歌に見立てて行われていることが分かったが…。

確かに冒頭は「シャドー」や「サスペリア2」を思わせる場面が続き、期待を持たせられる。

列車での殺人シーンは緊迫感に溢れ目が離せない。しかし、その緊迫感はすぐに途切れてしまう。

まず、全体的に散漫。

主人公であると思われる人物が2名いるため、感情移入をするのが難しい。

そして、老刑事はともかくも、母を殺された青年を演じている俳優にどうにも魅力がない。

そして、女優も皆中途半端な美貌しか持ち合わせておらず、ちっとも気持ちが高ぶらない。

殺し方もグロいと思う人もいるかもしれないが、グロいだけで美しくない。

殺されるのがブスとおっさんばかりだからかもしれないけれど。

脚本の辻褄に関しては何も言うまい。

アルジェントに辻褄なんてあるはずもない。

どうして被害者は殺しの対象として撰ばれたのか、犯人は子守歌に見立てることだけが目的で、被害者は適当にその辺にいたという理由で決めたのか、ならばどうしてジャコモの母親を殺したのか、聞きたいことは山ほどあるけれども、それは聞くまい。

聞くのはあまりに野暮だ。

ただ、最後のオチを聞いて、エラリー・クイーンの「Yの悲劇」のパクリとしか思えなかった人は多いのではないか?

期待していたゴブリンの音楽もイマイチ。

「サスペリア」「サスペリア2」では神だったのに。