得てして名作の続編は駄作となるものですが、本作も単独の作品としては決して良作ではありません。
PART1は何度見ても面白いのですが、このPART2はとにかくダレる。
どんどん人は殺されていきますが、殺し方にバリエーションがないと言うか、ワンパターンと言うか、殺しゃあいいってもんじゃないんだよと言いたくなる。
しかし、ホラー界のスーパーヒーロー・ジェイソンを生み出したという点で、ホラー映画史に於いては重要な作品として位置付けられるのかもしれない。
でも、ジェイソンの人物像がノーマン・ベイツと相当かぶってるし、独創性はさほどない。
ジェイソンは、ホッケーマスクをかぶってチェーンソーを振り回し始めて、やっとホラーヒーローとして完成するのだと言えるのだろう。
しかし、PART1から続けて見て、非常な不満を覚えた。ジェイソンが単なるマザコンのシリアル・キラーになってて、弱者としてのジェイソンという側面が削り取られてしまった。
車椅子の青年を殺した段階で、ジェイソンは単なる殺人鬼に成り下がってしまったのだ。
学校にも行かず、母親としか話すことのなかった少年という新たなエピソードまで与えられて、ジェイソンは生前から異様な少年、反社会的な存在であったことになってしまっているのだ。
ホラー映画は単純な構図の方が面白いのかも知れないけれど、殺す側にも感情移入できた方が深みは出るはず。
これから先、『13日の金曜日』シリーズはどんどんトンデモ映画になっていってしまうけれど、それはジェイソンの弱者としての側面を切り捨ててしまったからではないだろうか?
コメントをするには会員登録が必要です