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ムカデ人間 不快感はその辺の映画を見るより強く覚える

博士が淡々と、これからムカデ人間にされようとする人に自分の構想を説明していく様子はおぞましい。自分の口と他人の肛門が連結するわけだからそりゃ恐ろしい。

実際にムカデが我慢の限界に達し排泄してしまうシーンなんかはおぞましさにも勝って切なくなる(欲を言えば排泄シーンはもう少し上手く演技できなかったのだろ—かと残念に思う節もある)。

日本人として一番印象的なのは、ムカデ人間計画の被害者の一人が日本人であること。特に先頭が日本人なので、登場人物達は彼の日本語が理解できないわけだけども我々には一切の漏れもなく伝わってくる。博士に対して「あなたは神様ですか?俺は虫ケラです」と告白するシーンなどは印象的。

吹き替え版だとこのハイター博士は若本規夫氏がやっているらしいので、吹き替え版でも楽しめるかも。

何故か吹き替え版だとカツロー(先頭の日本人)の役も吹き替えが行われているので多分違和感は残ると思う。そのまま使えばいいのに。

内容自体は奇天烈で前例がないものかも知れないが面白いとは言い難い。

外科手術によって心臓をジャガイモに差し替えられて爆死したり、生首の口をCDプレイヤーに改造されるといったような不条理なスプラッターギャグの方が、非道徳的であったとしてもやはり見ていて面白い。

不快感以外はこれといって残るものはないが、不快感はその辺の映画を見るより強く覚える筈。最近ハッピーでしかたない人はぜひこの映画で不快になってください。