第三子を死産で失ったケイトとジョンは、孤児院から養子をとることにした。選ばれたのはロシア出身の少女・エスター。エスターは頭がよく、絵の才能に秀でた少女だった。首と手首にリボンを巻いていることと、アンティークなドレスを好むこと以外は、理想的な少女に思えたのが・・・。
物語としては単純。孤児院から引き取った少女・エスターが実は悪魔的な側面を持っていて、家族を不幸に導いていく、というストーリー展開は、「オーメン」を思い出させる。果たしてエスターは何ものなのか、家族はエスターから逃れられるのか、ただそれだけと言ってしまえばそれだけのストーリー展開なのだが、一つ一つのシーンが全て目を離せないくらい緊張感に溢れている。全く退屈させない。それほどショッキングなシーンが織り込まれているわけでもないのに、ヒリヒリハラハラしっぱなし。これはすごい。
世のホラーファンが大絶賛していると知り、当時はDVDの発売を心待ちにしていた。 ホラー映画というよりはサスペンス映画かなという気もするけれど、近年のホラー映画の中では突出した良作。ただ恐いだけでなく、エスターの苦しみも描かれているので、繰り返し見ることによってまた新たな意味を見いだせそうな気もする。
エスターの正体はあまりにも意外なもの。今回エスターの正体が分かってしまったから、続編を作る意味はないように思う。続編を作るなぞという馬鹿げたことはせずに、「エスター」のような丁寧に作ったホラー映画を作ることを期待する。
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