当時映画を観た後、園子温監督が来場し、トークショーがありました。
愛犬家殺人事件を題材としていると聞いて、絶対見なければと思っていた。宮崎勤の事件と、愛犬家の事件と、北九州の監禁殺人は、今まで生きてきてものすごく衝撃的な事件だった。今じゃもう、「愛犬家」と聞いただけで血なまぐさいような気がするほど。
映画の方は、面白かった!ものすごくエロくて、ものすごくグロいけれど、でも、ついニヤニヤ笑ってしまう、そんな感じ。「ファーゴ」っぽいなあと途中で思い、最後まで見て、カフカの「変身」ぽいなあと思った。とにかく理不尽、不条理。小市民の生活が悪魔的な論理によって暴力的に犯されていく。ものすごく恐ろしいんだけれども、あまりに不条理すぎて笑わずにはいられない。つーか、でんでん、久しぶりにみたし。
黒沢あすかも、ものすごく久しぶりに見た。以前見たのは、「野菊の墓」のお菊さんを演じていたとき。あんなに可憐だった少女が、ものすごい迫力の熟女になっていて驚いた。しかし、最近こういう脱ぎっぷりのいい女優さんは少ないから、いいと思います!(断言)
園監督はとても穏やかな方で、「このシーンはどういう意味があるのですか?」といった、監督の意図に関する質問には、「感覚的にそうだ、理屈抜きにそうだと思って作っているから、特に意味と言われても答えられない。あとから色々意味は与えられるけれど、それは後付でしかない」と答えていて(監督のことばを正確に再現はしていない)、自分の映画を見た後の余韻を壊されずに安心した。
コメントをするには会員登録が必要です