追い込まれる側の人間の主観に沿って描く(追い込む側が描かれない)という点では『クローバーフィールド』と同じですね。
ただクローバーフィールドがエンタテイメントという部分に重きを置いた(かどうかは知りませんけども)のに対して、こっちは相当重いテーマを盛り込んで来てますから、「映画」としてはこっちの方がひょっとしたらレベルは高いというか、崇高なものなのかもしれませんね。私はどっちもおもしろかったんでどっちも好きですけど。
ラストの展開は原作には無いもので監督が足したやつらしいんですけど、じゃあ逆に原作はどこで終わったんですか?めっちゃ気になりますね。
これはラストありきでテーマが浮き彫りになるんであって、あのラストがなかったらメインのテーマはもうちょっと別のところ、宗教狂いのババアのくだりに集約されてしまわないですかね?それかただのパニック作品ですよ。…このスティーブン・キングという人ならなんかそれでも全然やりそうですけども。
「じゃあお前は正しいのか」ってラインまで明確に引き上げるのがラストだと思うのでね。あの完全に必然性のあるラストを足す事を思いついた監督のおっさんは凄いと思います。「このラストの方が衝撃的でおもしろいって、ねえ、よくねよくね?」って感じで足してるワケじゃないでしょうね。計算しての事だと思います。
展開が良いのももちろんですが、あそこは演出もイイですね。霧の移り変わりというか、あれはどうやってるんでしょうかね、照明でしょうか、CGでしょうか。絶妙でした。
作品全体通してカメラワークもカッコ良かった気がします。
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