ゾンビ2009 まるで気持ち悪い悪夢

今まで観てきたゾンビ映画の中ではかなり異色。取り入れる必要性が一切感じられなかった後半の宇宙人ネタは何だったのか。支離滅裂な展開に呆気をとられ、何だか納得のいかないままに映画は終了。酔った状態で脚本を書き上げてしまったんだろうか。きっと5年後には立派なカルト・ムービーになっている事だろう。セットから滲み出る安っぽさ。H.R.ギーガーあるいはクローネンバーグが描くような生物美。まるで気持ち悪い悪夢みたいでした。

なので観た人の価値観によって「こりゃ駄作だ」「これはこれでアリなんじゃないか」の賛否両論に分かれそう。話としてはメチャクチャだし、画質も悪い。演技も下手だしすごい美男美女が出るわけでもない。つまりは長所らしい長所は何1つとしてないわけだが、その代わりに独特すぎる世界観がある。こういう世界観によって作品のクオリティーが下がるか上がるかは紙一重。いわばかなりリスキーな賭けに出てしまっているわけである。小さな子供がクレヨンでぐちゃぐちゃに塗りつぶした絵を「これ、上手でしょー?」と得意げに見せてきた時の心境を味わいました。

…と言いたい所だけど、実はエイリアン2のモロパクリだったりして。

隊員の腕についていた装備品は、プレデターがつけていたアレにそっくりでした。

にしても『食人族2』『サンゲリア2』の監督の遺作がコレだなんて…

「最期のその時まで日の目を見なかった、1人のホラー好き野郎とその作品たち」を目の前にして、言いたい言葉が見つかりません。

彼は、果たして無事に成仏出来たんでしょうか。