消防署を取材中のアンヘラとカメラマン・パブロ。アパートに老人が閉じ込められたと通報があったため、消防署員と共に現場に急行する。アパートの一室には血だらけの下着を着た老女。警官が老女に話しかけようとすると、老女がいきなり警官の頸筋に噛みついた!血まみれで倒れる警官。さらには、なぜかアパート全体が警官によって封鎖され、住民と警官、消防署員、そしてアンヘラとパブロは閉じ込められていることが分かる。
取材をしていたテレビ局のカメラの映像という体裁をとっているので、基本的に現場に居合わせていたカメラマン・パブロの視点で物語が進む。いわゆる、主観映像ものです。主観映像ものには、『ブレアウィッチ』で口から鼻血が出るほどガッカリさせられ、懲りずに『パラノーマル・アクティビティ』を見て耳から鼻血が出たけれども、これはうまく主観映像という制限を利用していて面白かった。現場にいた当事者と視点を共有することによって、視聴者も情報を制限され、「分からない」ことによって生じる不安を感じることができる。結局、何があのアパートで起きていたのか、あの最上階の部屋は何だったのか、ハッキリとした情報は映画からは得られない。でも、それはそれでいいのだと思われる。人は緊迫した状況に置かれたとき、決して〈神の視点〉など得られないのだから。
結局一度も顔を見ることのできなかったパブロよ。結構イケメンだと妄想させていただいております。
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