序盤の不穏な雰囲気が良かったですね。
何だかはわからないけれど、何か恐ろしいことがおこりそうな空気感が観ていてちゃんと伝わってきます。
凶暴な吸血鬼が本格的に住民を襲いだしてからの怒涛の殺戮劇も、恐怖と絶望感が半端なく描かれていて、思わず心拍数があがってしまいます。
ただ、肝心の生き残り数人によるサバイバルが始まると、やや失速気味になるんですよね。生き残り同士による、ちょっとした諍いなども、どうにもステレオタイプすぎるきらいがあります。
大体にして、30日間の極夜という設定ですが、30日は長すぎだと思います。
それがリアルだからと言われれば仕方ないのかもしれませんが、ここは映画的な嘘をついてでも、せめて一週間ぐらいにするべきだったのでは。
あれだけの超人的かつ獰猛な吸血鬼が何十人もいて、それに対するエサとなる住民は150人ほど。観ていて誰でも「とても30日はもたない」と思うんじゃないかな?
生き残りたちが隠れるのもただの屋根裏部屋だし・・・
あと、かなり長期間隠れていても、食糧危機とか起きないし、ある登場人物なんて飲まず食わずのままずっと一人で隠れていたりして、ちょっと有り得ないほど現実感が感じられません。
30日間頑張れば太陽が再びのぼって助かる・・・といったタイムリミット的な緊張感も薄いです。
でもラストはひと捻り効いていて、主人公の自己犠牲は珍しくないものの、ホラーにしては感動的な締め方となっています。
切ないラストシーンは気に入りました。ただ、「ブレイド2」でも似たようなシーンがありましたけど(苦笑)
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