この空気感が好きであれば、がっつりハマれる作品だと思います。
B級ホラーで、予想通りの展開なのだけれど、ラストは切ない終わり方というお決まりパターンが素適です。
人里離れた森の中にある洋館(舞台は昭和35年らしい)、優しい父(野口五郎)と妖しい母(浅野温子)、妖しい女使用人に、異形の赤ん坊。
おいしい要素が全部詰まっています。
途中まで赤ちゃんの顔が映らずに影だけだったり音だけだったりして、そっちの方が怖かったです。
顔が出てからは、ちょっとSFっぽいというか、モンスター映画みたいになっちゃったかな。
異形の姿で生まれてきてしまった少女の悲しい物語だと考えた方が後半は楽しめるかもしれません。
絵本とか、王子様とか、さりげなく絶妙なアクセントが散りばめられていて良かったです。
主人公始め、演技があまり上手じゃない人が多いのだけど、みんながみんながそれだし、空気感自体が異様な映画だから、そんなに気にしなくて済みました。
赤ちゃんより何より浅野温子の顔が怖かった。
そして、全く内容に関係ないのに、初っ端に出てくる運転手役の板尾さんも怪しくて怖かったです。
いきなり残虐なシーンがあったりして、しかもそれがなかなかグロテスクなのでご注意ください。
山口雄大監督作品も何となく色々観てきましたが、この作品が一番お気に入りになったかな〜と思います。原作に対する愛情も強く感じました。今後も彼の作品、色々と漁ってみようと思います。
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