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デッドクリフ こんなホラー映画に巡り会うことはそうそうない

前半は登山の危うさにスポットを当てたシチュエーションパニックなんだけど、後半からは山に住む異常な人間による猟奇殺人ものに様変わりする。ここが見る人によっては好き嫌いがはっきり別れるところではあると思うのだけど、その猟奇殺人者がレザーフェイスやジェイソンみたいな見るからに怪物、というのではなくて、頑張ったら勝てるんじゃね?と思えるほどに貧弱。確かに戦い方は野蛮そのもので耳を壁にこすりつけたり接近したときに絞めたり殴るだけじゃなくて噛み付いたりするので、死闘はやっぱりこうじゃなくっちゃ!とテンションは上がるけど、一番膝を打つ思いだったのが、このキャシャリンと殺し合いをしていた女が道に転がっている大きな石で殴る、よろめく相手の目玉をえぐる、という一連の行動に真のリアルを見たね。本当に命をかけた戦いするんだったら殴る蹴るっていう行為より目玉をえぐったり耳を噛みちぎったりしたほうが致命傷になるし行動力を失わせることが出来るから実践的だと思うんだよね私は。マス大山もきっと賛同してくれると思うな。

登山に来ているとは到底思えない女どもの軽装に歓喜し、男どものすったもんだが従来のホラーにはないスパイスを効かせ、最後に真の死闘を見せてくれる。こんなホラー映画に巡り会うことはそうそうないので良い体験を出来たことが喜ばしい。

それにしてもこれはフランスのホラー映画なんだけど、この国の血も凍るホラーのクオリティの高さには毎度驚かされる。