ジョージ・A・ロメロ監督の『ザ・クレイジーズ/細菌兵器の恐怖』を現代風にリメイク。
冒頭の、和な町で野球をしていると突然ライフルを持った怪しい男が侵入してきて…と出だしからぐいぐい引き込む力があり、車の爆破や喧騒後の異常な町並みをCGにあまり頼ることなく本物を使っているので生々しくインパクトがある。
だけど、いかんせん自分が最も苦手な不安を煽りに煽って大音量で脅かしてやろうという演出が本当に辛い。例えば死体に囲まれた中追ってきた異常者をやり過ごしたと思ってからの急に手がのびる瞬間のバァン!という効果音とか。しかも大音量演出がひとつふたつだと我慢もできるが全編に渡って繰り広げられると辟易とするというよりショック死しそうになる。確実に寿命縮んだ。
それと展開が、んなアホな、と思うほどご都合主義でとんとんと進んでいくこともいただけない。ストーリーが薄くなるしこういったシチュエーションパニックはリアリティーが重要に思うのだが。もう少しネタを減らすか尺を長くすればもっと深みが出来たのだろうけどそうすると映画の毛色自体が変わりそうだし難しいところなのかな。
だけど冒頭の掴みはオッケーから始まり、息つく暇もないほどストーリーは突き進むので全くだれることはなくあっという間に魅せてくれます。まぁいうなればよくあるハリウッド的なアクションパニックものです。
進めば進むほど存在感が無くなる主人公ですが、周囲のクレイジーっぷりへのリアクションしか見せ場が無いので仕方ないか。
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