1960年代に実際にあったと言われているCIAの行った非人道的洗脳実験を題材にした作品。
ストーリーは新聞の公募を見て実験に参加した人々が殺人実験の被験者にされてしまう話し。
低予算映画ということで舞台はほとんどが実験室内とそれを観察するモニタールームのみ。
いわゆるソリッドシチュエーションもの。
本作の軸となるのは「いかに脱出(生き残る)か」と「実験の目的は何か」という二つ。
前者は実験者が出題する課題や実験刺激をいかに対応するかがポイントとなり、そこでスリルを演出している。
後者においては実験者が普通に語ってくれるため推理もののような要素は少ない。
なおこの手の映画には低予算ソリッドシチュエーションの名作「CUBE」のように謎を残したまま終わるものが多いが、本作はきちんと謎を解決させた終わり方をする。
しかし、残念ながら二つ軸両方ともに味気なさが感じられる。
いかに生き残るかと言う点では、登場人物の行動が生死を分けるというシーンがほとんど無い。
つまり、被験者の行動にかかわらず実験者が無秩序に被験者を一人ずつ殺していくため、見ている側からすれば被験者の行動に対して緊張感を感じられない。
また、殺す場面も工夫が無く殺風景なため感情移入しにくい。
次に実験の目的については、単純すぎるという不満が残る。
被験者たちが推理をして目的を解明するのではなく、モニタールームで観察している実験者が最後のほうで普通に語るだけなのでサスペンス色が弱い。
さらにその内容もかなり淡白なものなので威力が弱い。
ただ、低予算ものとしては構成はしっかりしていたと思う。
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