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食人族 思わず目を背けるシーンの連続

83年に公開され様々な物議を醸した食人映画。

探検隊のフィルムがドキュメンタリー仕立てになっておりラストに意味深なテロップが出ることもあって、当時はこれは本当にあった出来事の映像じゃないのか、と騒然となったらしい。謂わばフェイクドキュメンタリーなのでブレアウィッチやクローバーフィールドの走り的な存在か。

確かに本当にあったように思えてしまうのは、その生々しい演出と臭い立つようなアマゾンの物々しい雰囲気の賜物だろう。パッケージにも写っている人体串刺しを見ると『サンゲリア』といい、イタリア人は刺すことが好きな人種なんだなと膝を打つ思いだけどそんなとこで膝を打ちたくなかった。

食事シーンや虐殺以上にむごたらしいのが本物の動物を殺す描写。亀を解体したり猿の頭をぶつ切りにしたり豚を射殺したりと動物愛護団体が見ると怒りを通り越して卒倒するんじゃないかというほどえぐい。あらかじめグロテスクだとは思っていたし、そういうショッキングなのを求めていたのだけど、予想以上の出来で思わず目を背けるシーンの連続。自分のキャパを軽く超える。今では真似できませんが、死ぬ前の抵抗、死後の筋肉反応、内臓のてかりやデロデロ感といったリアリティは今の映画技術でも生み出せないと思います。

まぁ確かに未開の民族と文明人はどちらが鬼畜なのか、といった皮肉を込めたメッセージや残酷な場面なのに牧歌的なメインテーマが流れる異様な空間には楽しめたけど、鑑賞後の嫌な気分がなかなか抜けず暫し茫然となった。