鮮血の美学 見た後もしばらくイヤ〜な気持ちが残る映画

…見た後もしばらくイヤ〜な気持ちが残る映画。

マリは17歳の誕生日に友達のフィリスとロックコンサートに車で街に出かける。

解放的な気分になって、コンサート前にマリファナを買おうと気弱そうな若い男に声をかけた。

マリファナがあるという男について行ってた部屋には脱獄囚二人と情婦が一人。

二人は監禁された…。

この後二人は、逃亡する脱獄囚達の車のボンネットに押し込まれ連れ去られ、車は、偶然、マリの家の前で故障。

二人はマリの家の前の森でなぶられた挙げ句に殺され、通りすがりを装って、マリの家に宿を求めた脱獄囚達は、娘を殺したと気付いた両親に復讐される、という筋書き。

ベルイマンの「処女の泉」をモチーフにしたとモノの本には書いてあるけど、見終わった後の印象がまるで違う。

言われりゃ同じ話だけど…。

こっちの方が、後味が何倍も悪い。

時代の空気に+低予算ゆえの実験的な演出方法が使われてて、それが何ともイヤ〜な気持ちを増幅させる。

㈰音楽が場面に合ってない。

二人がボンネットに押し込まれるシーンで軽快な音楽、森の中でいたぶられ、小便を強制的に漏らさせられ、レズらされるシーンで甘いバラードが流れる。

㈪娘が帰ってこないのを心配したマリの両親が保安官を呼ぶが、小太りとうすのろノッポのコンビは、まるで役立たずのうえ、コイツらの捜査のシーンはコメディ映画のような笑いを誘う演出になっていて、スイカやぜんざいに塩を振るかのごとく、残酷さが強調される。

直接的に残酷な画はほとんど出てこないけれど、どんな映画よりも残酷。