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サンゲリア 見せ物小屋根性は大いに評価したい

亜流ゾンビ映画の中でも一番といっていいほど人気の本作。

前年に公開されたジョージ・A・ロメロの『ゾンビ』の後を追うように間髪入れずに翌年に公開され、原題が『ZOMBIE 2』と全く続編でもないくせにこんなタイトルを付けるルチオ・フルチのふてこさには脱力。アルジェントが怒っても逆ギレで場をやり過ごすその精神は人間のクズだけどなんか憧れるな。

タイトルからしてゾンビの二番煎じに成り下がってはいるものの、これはイタリアンホラーの特色か、フルチ特有のことなのか定かではないけど、ストーリーそっちのけでどれだけ観客にインパクトを残すかに腐心した見せ物小屋根性は大いに評価したい。

『サンゲリア』といえば、というほど有名な、眼球串刺しシーンに代表されるように、海中でサメとゾンビの対決、と当時流行った二大モンスターの対決をなんの脈絡もなく放り込んだりしてくる。またこの闘いが太陽の陽光が反射し無意味に流麗で無駄なことにも価値がある、と無理矢理こじつけしたくなるけどその想いを無心にし尚且つ無欲であることを心がけたくなる。

と、主人公グループはまだメインの舞台となる島にも到着していないのに、この一番脳裏に残るシーンを前半のうちにぱぱっと終わらしてしまう。島に着くのは開始から50分近く経ってから。そんなストーリーのペース配分なんかお構い無しにフルチは、汚いゾンビを駆使しながら、頭部破壊、喉仏噛みちぎり、とどこまでも不快な映像を提供してくれる。