大学生男女が金持ちの友達の別荘に休暇に行くと悲劇に見回れる、というティーンのパニックもので、どこを切っても既視感だらけの金太郎飴なジャンルではあるが、両極端なDQNか根暗しかいない地元で育ち、根暗を代表する身としては、こういった人生を謳歌している若者が無残な姿になるこの手の映画は大好物なのである。(こういった人たちに憧憬を抱いている反動なのかもしれないが)
だけど、こういう似通った映画だからこそ監督の力量によって良し悪しがはっきりと分かれるものである。その点に関しては『デッドコースター』『セルラー』などのディヴィッド・R・エリスがメガホンを取っているのでなんの不安もないと思っていたが、まさに、まさに安心設計。視聴者が欲している映像を十二分に把握しているので、エロくて生意気なねえちゃんのいたぶられる姿が見たい!と思っていると、出演者みんなが水着を着ているし、カメラアングルもカメラ小僧を雇っているのか見紛うぐらいばっちり。
というのもこの映画のキーとなるモンスターは、台風の影響で湖に住み着いてしまったサメたちなのである。だからみんな薄着な上に脳ミソが筋肉で出来ているようなヤツらばかりなので特に感情移入がないまま死んでいくので後腐れない。サメがほぼCGなのは少しげんなりするが、迫りくる恐怖もそれなりに高い。
最後に監督のことを調べるとヨハネスブルグで急死したようだ。しかも日本のアダルトアニメを実写化するために現地に訪れた矢先に。この場を借りてご冥福お祈りいたします。
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