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血の魔術師 ルイスの他作品よりは苦痛ではなかった

「ハーシェル・ゴードン・ルイスの映画は『2000人の狂人』以外面白くないで」

バイト先の、音楽・映画好きの先輩はそう教えてくれた。

その通りだった。

「血の祝祭日」「2000人の狂人」「悪魔のかつら屋」「ゴア・ゴア・ガールズ」…レンタルビデオ屋で借りて見た、これらの作品は血糊の量こそ多いけれど、ゴアシーンが粘土遊びしてるようにしか見えなかった。

内臓や脳みそが出ても、ぐちゃぐちゃなだけで、それをいじる方はモタモタしてて楽しくなかった。

2000人〜は、例外的に雰囲気が良い部分があったけど、同じ雰囲気でも洗練された「ゾンゲリア」を見てしまうと…(20年くらい後の作品なんで、単純に比較する方が悪いのかも知れないけど)

ルイスさんは、ドラマ部分の演出がすごくおざなりで、ゴアシーンにのみ力を入れてるみたいだけど、ゴアシーンの演出も投げやりというか、「お前ら、血がドバドバで肉がグチャグチャなん見たら、満足なんやろ!」と言わんばかりの見せ方をする時が少なくない。

その方法論は全く正しいのだけど、低予算の限界か、殺した後にモタモタ死体をいじくり続けるんで、粘土遊びにしか見えてこなくなる。

映画によっては、その際の効果音がペチャペチャとげんなりな音だし。

この作品も、相変わらず死体をいじくりまわしたりするが、他の作品(除く「20000人の」〜)に比べると、ストーリーが、まだ、しっかりしてるので、昔、見たルイスの他作品よりは苦痛ではなかった。

さすがに、今、見ると眠くはなるが。