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パーフェクトブルー 「これでいいのか」と苦悩する過程

今起こったことが、この作品の主軸なのか、はたまた、ドラマの中で起こったフィクションなのか。作品の中での「ダブルバインド」というサスペンスドラマが実際この作品「パーフェクトブルー」の中で起こっていく現象、主人公の心情とリンクしていく。

そしてテーマが「本当の自分」

アイドルだった主人公が女優へ転身していく中で「これでいいのか」と苦悩する過程が描かれていく。アイドル時代のファン、歌手になりたくて上京した過去の自分、そんな過去の遺産が「アイドルの私(本当の私)」を創り上げる。女優の仕事も「レイプされる女」「ヌード写真」など自分の本意ではないもの、自分を傷つけ、過去を傷つけるそんなものばかりだ。そして彼女は「本当の自分」に追い詰められていく。

まぁ、今敏お得意のといっても日本のアニメでは滅多にお目にかかれない「サイコで、ホラーで、でもどこかコミカル」という絶妙なバランスを持った作品なんですけれども。ダーレン・アロノフスキー、「ブラックスワン」でもパクッたんでしょ。といわれても仕方がないくらいプロットが似てる。

昔、シャマランの作品は「現実と一歩ずれた心地わるさが心地よい」って訳のわからんことを言った気がするけど、その感覚と似ている気がする。その根底を今敏監督が語ってくれたのだけども、「普段見慣れた景色を角度を変えて、再構築する」ということだそうだ。例えば、「見慣れた商店街」を「アーケードの上」から表現すると「現実と一歩ずれた心地わるさが心地よい」になるって感じだ。