この映画のテーマは多分、「あきらめたら、そこで試合終了ですよ」である。ホラーにスポコン精神を持ち込んだ稀有な作品である。
娘が緑の液体吐くわ、階段ブリッジで下りてくるわ、クビ180度回るわ、挙句の果てには360度回るわ。で、違う世界に行きたくなるくらいなのに、正気を失わず、戦う母親の「あきらめない気持ち」。
病気を抱えながらも戦うベテランメリル神父の「ゆるぎない信仰心」。
母親の死を見とれなかったという負い目を悪魔につかれいったん敗北しそうになったカラス神父も、命を賭して助けたいと想いが「あきらめずに戦う」という行動を生んだのだろう(結構衝動的だったような気もするけど)。
どうでもいいけど全員顔色悪すぎて、見てるこっちが辛いわ!
あと教会本部の「まぁ、高齢だけど、発掘とか行ってたし、元気だろ。悪魔祓いくらい余裕っしょ」感、「現代の現場の苦労なんて何もわかってない管理職」感、がでてて、とっても嫌な感じだけど、現実あんな感じなんだろうな感がでててとってもリアル。
「悪魔なんて信じない(神父すら信じてない)精神療法も眉唾!」という姿勢を貫き作品全体を現実とフィクションラインをあわせておき、「あの原因でもない、この原因でもない」と医療的に原因を消去法的に潰していくことで、観客に「悪魔が原因とは信じたくないけど、悪魔が原因としか考えられない」という結論を納得させているし、上手い脚本だと唸ってしまった。
「キリストでファックしてやるぜー」の件はさすがに笑ったけどね。
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