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フィースト ホラー映画のセオリーをことごとく覆す仕掛け

アメリカ南部の場末のバーに謎の生物が襲いかかってくる、ストーリーはなんの変哲もない低予算モンスター映画の王道中の王道であり、個人的に愛してやまないシチュエーションなんだけど、今までどうにも手が伸びずにいた。というのも、これはマット・デイモンとベン・アフレックの仲良しコンビによる新人発掘行事の一環として制作されているからである。金持ちの道楽で箸休め程度に力を貸してやっただけなんだろ、所詮。なんて思っていたが、これが意外にツボを心得たなかなかの佳作になっている。

とにかく視聴者が喜ぶであろう、スリル、エロ、笑い、ゴアがぎゅうぎゅうに詰まっており、グラインドハウス映画としても十分に機能している。だけど、これがグラインドハウス的な“客に媚びた”映画ではなく、楽しませようとしていることと同じくらいに楽しんで作っていることがよくわかる。ホラー映画のセオリーをことごとく覆す仕掛けもホラー映画ファンの読みを逆手に取っており、次はどうでるのか期待が膨らんでいく。

女性が強いというのも好感が持てる。ホラー映画といえばヒロインが自尊心を踏み躙られ、血塗れになり、糞便を抱き抱えながら成長していくのが通例であるが、そういったこともきちんと忘れていない。それになんといっても女性陣がみんなエロいのだ。棺桶に片足突っ込んだ婆さんすらエロく見える。そんなエロいねえちゃんたちがギトギトしたクリーチャーに弄ばれるというだけでも一見の価値があるし、存在価値も十二分にある。