「ヴァンパイア映画の新たなる古典」ってのがこの映画を評するに当たり、この映画らしい評価だと思う。
主人公の美少年のオスカーの内面的ナルシズムが本当に気持ち悪くて、初めは「何この子きもい、中二病もいい加減にしてほしいわ!」と突き放して見ていたんですが、彼が恋に落ちるあたりから、彼にどんどん感情移入できるようになり、ラストシーンでは彼のこれからの人生を「お前それでいいの?人生その年齢で決めちゃって」感に溢れてしまいました。
共生に至るまでの経緯(始まりまで)、そして結末(終わり)がこの映画で同時に描かれており、オスカー少年のこれからを全力で心配してしまうのです。
この関係って片利共生(エリ側のみが利益を得る)じゃないの?と思うのですが、「利害関係は可変的であったり観察困難だったりするため、利害関係は考慮せず、複数種の生物が相互関係を持ちつつ同所的に生活している状態をすべて共生と呼ぶ。」という片利共生も共生の一部なんだぜという説明が表すようにオスカー少年もなんらかの利益(多分、エリの愛情)を得ているのだと思います。
映画の描き方としてエリって最低な女だなッ!利用するだけ利用して最後はポイですか!ってならないのは彼女が他の種族であり、でもむしろ憎むべき、恐れるべき彼女を愛してしまったお前が悪いんだろ理論が無意識のうちに我々を納得させている…いやいやいやこの女黒いよ…恐いよ…
この映画のおかげでヴァンパイア映画巡りをしたいと思えました。
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