ロメロが発信したゾンビという概念は、もはやそれがひとつのジャンルといってもいいほどに、世界的な知名度を獲得し、パンデミックの如く大流行した。そういった波は世界中に広がり、日本はもちろん、至るところで作られており、その波はどうやら台湾にもやってきたようだ。
今回が初のゾンビ映画ということもあり、エキストラを含め、大量の人員を動員しているだけでなく、目まぐるしく場面転換をするので色んな舞台で阿鼻叫喚が見れる。
さらにこの監督のゾンビに対する愛も、スーパーからゾンビが大量発生してくる始まりから大いに伺い知ることができる。とにかく歴代のゾンビ映画だけでなく名作ホラー映画を彷彿させるシーンが山ほどある。登場してくるお姉ちゃんも、ピチピチのタンクトップにホットパンツが大半でサービス精神の塊なのである。これは最大限に評価したいし、ホラーに何が大切かがよくわかっている!と監督と力強い握手を交わしたい。だけど肝心の内容はというと、その握り締めた手のひらを自分がもし花山薫なら握撃しかねないほど納得のいかないものだった。
なんでもかんでも詰め込めばいいってもんじゃない、典型的な作品で、まとまりが皆無以前にやることすべてが中途半端。ホラーを撮りたいのかコメディタッチにしたいのかよくわからないし、そのジョークも眠ると死んでしまうような悪寒が走るものばかり。俺の好きなものはみんな大好き、考えうるものすべて注ぎ込んだろう!の結果がはた迷惑なオナニーになるとは容易に想像が付くのではないか。
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