高校生の主人公・由香のクラスで学園祭に演劇をすることになり、「幽霊」と呼ばれ嫌われていた比那子というクラスメイトが嫌がらせで脚本の執筆をすることになる。しかし彼女が書いた脚本を読んだ者たちが不可解な死を遂げ始めるというストーリー。
アイドルが主演ということもありあまり期待していませんでしたが、そんなことを忘れさせるほど不気味。比那子が呪いの文章を作成する執念も、幽霊や化け物が出てくるより恐ろしく感じました。
アクロバティックな退魔シーンもなく、ひたすら不気味で寒気を感じる怖さ、これぞJホラーという感じの作品です。
比那子が作り出した呪いの文章には、一応それなりの理屈がついていて、文章のリズムが読み手の呼吸を狂わせ死に至らすということになっています。終盤になると文章を読まなくてもちらっと見るだけで呪われてしまうあたりが少し設定が破たんしていますが、それも比那子の存在感で見ている間はあまり気になりませんでした。
ですが最後のメタな展開にはがっかり。どうにか視聴者側に後を引く怖さを味あわせたかったのかもしれませんが興ざめです。比那子の呪いの文章は最終的にインターネットの掲示板に書かれるくらい洗練されますが、たぶんこれは多くあるネットの噂をもとにしたものだと思います。これを見てその噂が頭をよぎり現実にそのような文章をネットで見ることがあるかもしれないと想像すれば、それだけで視聴後も恐怖が残ります。なので最後は蛇足です。
ですがそれを差し引いてもホラー好きにはお勧めしたい作品です。
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