フォース・カインド 「ホラー」を期待して観ると肩すかし?

2009年のアメリカ映画『フォース・カインド』。日本での公開当時、テレビで流れていたCMが面白そうだったため、劇場に観に行きました。

映画の内容は、「実際にあった事件のドキュメンタリー」という感じの、いわゆるモキュメンタリーとなっています。特定の地域で頻発する行方不明事件と不眠症の患者、その診察を行う心理学者が主人公で、「再現映像」ではミラ・ジョヴォヴィッチがその役どころを務めています。

映画が進むうち、行方不明や不眠症の原因は、UFOによるものではないか?ということがわかってきます。正直に言えば、この時点で少し肩すかしをくらったように感じてしまいました。

もちろん、UFOや宇宙人が悪いというのではありません。しかし、このようなテーマはどうしてもSF的な印象が強く、「怖さをかきたてるもの」という感じがしない人が多いのではないでしょうか?

実際に宇宙人に拉致されたらさぞ恐ろしいでしょうが、映画の中で「宇宙人の仕業」と言われると、その途端にホラーっぽさが薄れてしまうような気がしました。

もしかすると、これはアメリカと日本の文化の違いなのでは?とも感じます。アメリカの文化圏で育った人なら、「宇宙人、怖い!」と感じることができたのかもしれません。

ミラ・ジョヴォヴィッチがメジャーな女優すぎるという点も、あまり怖くなく感じてしまいます。あまり顔の知られていない俳優が出演している方が、ホラーの場合はリアリティが増し、より怖く感じるのではないでしょうか。「バイオハザード」など、アクションのある映画で著名な女優だけに、途中で「宇宙人も倒せそうだなぁ」などとくだらないことを考えてしまい、ますますホラーな気分ではなくなってしまいました。

決してつまらない映画ではなかったと思うので、サスペンスとして観る分にはいいかもしれません。ジャンルとしてはホラー映画というだけあって、ちゃんとビクッとさせられるシーンもあります。しかし「とにかくホラー映画を観たいんだ!」という気分の時に観ると、肩すかしをくらってしまうかもしれません。