SAW ソレはソコに居た。

この「SAW」が公開された当時は、さほど話題にはならなかったけど、そこから口コミで広まっていき、軽い社会現象にまでなった作品です。この人気のでかたは「CUBE」に似ているかもしれない。

それから人気がでたという事もあり、2、3と続編が続いていく訳ですが、次第にミステリーよりもグロの方に表現が傾倒していき、続いていったナンバリングの中ではこの所謂「無印」が間違いなく一番面白い(但し、グロいホラーが好きで小難しい事は考えずに、その雰囲気や勢いを楽しみたいという方は、反対の意見になるかも…)。

この作品を人気作品にまで押し上げた決定的な要因は、最後の種明かしの衝撃によるものだと思う。後にも先にも映画館で思わず声を漏らしてしまったのは、今のところこの作品だけ。なんせ開幕から犯人もトリックも、その全てがそこに横たわって居るのだから。

「後のナンバリングの方がグロい」と前述したものの、この無印も全くグロくないという事はない。しかしこの無印では、そのグロいシーンが作品全体に緊張感を与えている。グロいシーンに無理矢理付け足した感じが無く、しっかりと必要な場面としてシーンが映し出される。「観てるこっちが冷々する」というのを体現しているのだ。主人公の一人が自分で自らの足を切断するシーンなんかは、ホントに手に汗握りドキドキしながら観ていた。

それだけこちらに感情移入させてからの最後の大どんでん返しなので、今まで死体だったモノがムクリと立ち上がった時は本当に驚いた。

ミステリーものの映画をリピートさせるのは、とても凄い事だと思うし、この映画はリピートに値する作品だったと思います。