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ナインスゲート 不完全燃焼な気分が残りました

ジョニー・デップ主演のオカルト・ミステリー映画です。

この世に三冊しか存在しない「悪魔の本」の調査をジョニーが受けることから始まる物語ですが、全体的にホラーというよりはミステリ映画的な印象が強く、怖い映画ではありません。

派手さはありませんが、センスの良い美しい映像とユニークなジョニー演じる探偵(酒と煙草ばかりで超不健康)の魅力だけでまったく退屈しません。

「悪魔の本」の挿絵に隠された秘密も興味深かったです。

ミステリー映画には、なにより雰囲気が大切なんですが、これが非常に素晴らしくよく描かれています。

最後までとても面白いのですが、ラストはこういった映画にありがちな「で、どうなったの?」という感じのボンヤリとしたもので、仕方ないとは言え不完全燃焼な気分が残りました。

まあ、この辺で寸止めしておく方が最後まで雰囲気を壊さずに終われますから良かったのかもしれません。

オカルト的な側面だけでなく、ユーモアもあったり謎解きもあったりして、似た感じの映画「エンゼルハート」よりも万人向けかもしれません。

あちらの方が怖さでは圧倒的に上ですが。

ちなみに、この映画を観るキッカケになったのは、「ジョジョの奇妙な冒険」等で知られる漫画家、荒木飛呂彦の著書「奇妙なホラー映画論」を読んだからです。内容はホラー初心者の方に向けた案内書といった感じで、彼の非常に真面目な人柄が窺えます。

その中で、この「ナインスゲート」を「極上の作品」と褒め、主人公のキャラを漫画の参考にしたとまで書いていました。