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サバイバル・オブ・ザ・デッド 本筋というより番外編

2つの対立した家族だけが住む島を舞台にするという、横溝正史のミステリーみたいな設定です。

片方の家のオヤジは「ゾンビ化した人間はすぐトドメをさすべきだ!」という主張の元、ゾンビ退治を楽しんでいますが、対する家のオヤジは「ゾンビも残しておこうよ!なんか愉快な奴らだし」と反論します。

で、後者のオヤジはゾンビを鎖に繋いで好きにさせておきます。

すると、「ランド・オブ・ザ・デッド」でも描かれたように、ゾンビ達は生きていた時と同じ行為を繰り返そうとするんですね。

郵便配達員だったゾンビは延々と同じポストに手紙を配ります。

年賀状を配るのが面倒くさくなって川などに破棄してしまうアルバイトが出るのは毎年の恒例行事みたいなものですが、彼らはこのゾンビ以下ということになりますので、反省願いたいものです。

こういった描写が、ロメロは割とコメディぽく演出するのですが、もっとホラー的に描いたら面白いのにな〜と思います。

この映画、基本的にホラー映画としての怖さやスリルがあまりありません。

ゾンビが倒されるシーンは、どちらかというとギャグシーンのように撮られています。

話自体は結構シビアな展開をするんで、ゾンビが登場するとちょっとホッとするくらいです。

きっと「面白いゾンビの倒し方」というメモ帳をロメロ監督は持っていて、朝起きた時に夢で見た倒し方等を忘れないように記入したりしているんでしょうね。

そんな感じなんで、この映画は自ら作り上げたゾンビ世界を舞台に、ホラーではないちょっと異色のドラマを繰り広げてみたかったのではないでしょうか。

本筋というより番外編といった気がします。