ザ・ホード 死霊の大群 今風ゾンビ映画の佳作

「死霊」の2文字に恥じぬ、立派なホラー映画でした。

閉鎖されたビルに閉じ込められるという設定はモロに「ゾンビ」で、リスペクトというよりリメイクに近いです。

ただし、こちらは「28日後」等と同じ素早いゾンビです。

あの映画も「ゾンビ」リスペクトながら独自のセンスがありましたが、こちらは「細かい部分は捨て去り、アクションと暴力を大増量」という感じで、単純明快な作りです。

大体「ゾンビ」のスーパーマーケットに比べると、この映画のビルには大量の武器以外何も無いというのが特徴をよく表しています。

序盤が退屈なのは、登場人物に魅力が無いのが大きな要因ですが、中盤で登場するキチガイ親父が最高で、一気に面白くなります。

殺されて生きてる人間が減った分、ゾンビがジャンジャン登場してみんなで盛り上げてくれるので、後半は楽しいです。

人間の愚かさ、汚さといった部分を描くシーンはたくさん登場しますが、もともとロクでもない連中ばかりなんで、特にショックは無いですね。

こういうのは、普段は大人しくて真面目な人がやるからインパクトがあると思うのですが。

あと、グロいシーンはありますが、ゾンビ映画的なお食事や内臓丸出しシーンは少なめで、ゾンビ好きには不満が残るかもしれません。

バイオレンス映画としては迫力があって、暴力を描かせたら韓国とフランスには敵いませんね。

ストーリー性は限りなく薄いですが、今風ゾンビ映画の佳作といったところでしょう。