美しい夜、残酷な朝。 個性派監督3人によるオムニバス映画

韓国、日本、香港でそれぞれ活躍する、個性派監督3人によるオムニバス映画です。ジャンルはサスペンス・ホラーといった感じで、化け物は出てきませんが、化け物のような人間が出てきます。

一話目は韓国のパク・チャヌク監督です。彼のどの作品ハードコアなバイオレンスが炸裂する面白い映画です。

イ・ビョンホンが主演するこの話も、暴力描写はかなりのものです。この話で彼は気持ちの悪い男のストーカーに大変酷い目に遭います。

ただ、全体としてなんとなくユルイ感じがするというか、ブラックなコメディーを目指したのかもしれませんが、サスペンスとしてもコメディーとしても中途半端な気がしました。

次の話は日本の三池崇史監督です。

個人的に「インプラント」はまあ面白かったですが、あまり信用はしていない監督です。この作品は終始しみったれた感じが続く不快な内容でした。貧乏臭くて、湿っぽくて、不幸な子供が出てきて、ロリコンの渡部篤郎が出てくるという、これ以上ないほど日本映画らしい話ですが。

最後の話は、香港のフルーツ・チャンという可愛らしい名前の監督です。僕はこの監督の映画は初めてでしたが、他の作品も是非見てみたいと思いました。この中では一番パワフルで面白く、かつ残酷で気持ち悪い内容でした。

オムニバス映画というと、あまり力が入っていなかったり妙に実験的だったりしがちですが、この作品はどれも力が入った作品ばかりです。監督の個性も強く押し出されているため、話によってはかなり好き嫌いがあると思います。