この映画は良い意味で期待を裏切ってくれました。
古典的な設定から始まるところは「らしい」のですが、そこからまさかここまで恐ろしい思いをするとは思いませんでした。
娘を死産で亡くしてしまったトラウマを持つ母親が主人公です。
この母親が亡くしてしまった娘の代わりに孤児院へ養子を見つけに行くんですが、その時養子になるのがこのエスターというわけです。
で、このエスターがなんとも恐ろしい娘なんです。
なんといっても、夫婦が夜のお勤めをしていると必ず登場するんですね。
しかも、行為のアドバイスをするわけでもなく、苦々しい顔で横切ったりするんで、夫婦は居心地が悪い思いをします。
最初は嫌なマセガキな程度のエスターですが、次第に本性を見せ始めるとドンドン怖くなってきます。
そして、その怖さの臨界点はこちらの予想をグングン上回っていくのです。
全体的にとてもよく出来ているスリラーなんですが、それを普通の水準以上にしているのはエスター役の子役の演技でしょう。
まだこの若さにして、女の恐ろしさをこれでもかと表現しています。
きっと長じてからは大竹しのぶみたいな個性派女優になるんでしょうね。
後で冷静に考えると、基本はホラーの典型をなぞったものだし、斬新な部分よりは古典的なところが多かった作品なのに、なんでこんなに怖かったのか不思議です。
やっぱり子供(エスターも実子も)の存在が大きい気がしますね。
子供がヒドイ目に遭うのは、理屈ぬきでキツいものです。
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