呪怨 パンデミック 特徴が薄まってしまっています

清水崇監督の人気ホラーシリーズ「呪怨」のハリウッド版の第2作目です。

「呪怨」にはオリジナルビデオ版で2作、劇場版で2作、ハリウッド版で2作あり、通算すると第6作目とも言えます。ただし、ハリウッド版はこれまでの作品のリメイクともいえる内容であり、他とは若干違う設定です。

そして、この「パンデミック」はハリウッド版の続編となっていますが、今回はリメイクではなくオリジナルのストーリーです。かなりややこしいですが…。

とはいえ、内容はだいたいどれも一緒で、母子の幽霊が力を合わせてたくさんの人々散々びっくりさせたあげく、皆殺しにしてしまうというものです。

母親の姿が「リング」の貞子そっくりのため、パクリとか二番煎じとか言われそうなところですが、そこは子持ち女の強み、テレビから這い出るという1発芸くらいしかない貞子に比べると終始画面に出ずっぱりで、階段を這って下ったり、天井に張り付いたり、赤ちゃんの代わりに生まれたりと大活躍です。

もともと、「呪怨」の面白さは全体のストーリーよりもそれぞれの趣向を凝らした恐怖シーンにこそあると思います。だから時系列をバラバラにし、視点を1人に定めず、説明を極力排して、テンポよく怖いシーンを見られる作りになっていました。

ただ、ハリウッド版ではそういった特徴は薄まってしまっています。無理にストーリー性を高めようとして、過去にも触れたりしています。ただひたすら強く呪う気持ちがあり、そこに触れたものは誰もがみんな死んでしまう、という当初の設定こそが怖かったと思うのですが。