ジョン・カーペンター監督による、SFホラー映画の名作です。
とにかくこの映画の最大の見所は、犬や人間が異形なモンスターへ変容していく特撮シーンにあります。
主役はカート・ラッセルですが、ヒゲをたっぷりと蓄え、酒を飲みまくる彼の風貌は、殺伐としたこの映画を象徴しています。
粗暴でだらしない生活を繰り返す社会のはみ出し者だが、激しい性行為を期待させるため女性にはやたらモテる男…。
一言で言うと、火野正平のような感じです。
他の登場人物は、彼がマシに思えるようなどうしようもない男ばかりが数人。
生きていても死んでいても印象は変わらないような連中ですので、ピンチになってもまったくハラハラしません。
誰が死んで誰が生きているのかについてもあまり関心を持てないほどです。
メイキングでは監督が「当初は女性を入れるつもりだったが、男ばかりの方が変わっていて面白いと思った。」などと言ってますが、個人的には女性が居た方が分かりやすかった気がします。
個性的でカッコ良い男達ならまだしも、先日出所したばかりの窃盗犯のような連中ばかりだし、常に防寒着を着ているため見分けが付きません。
誰がエイリアンで誰が人間か分からなくなり、いよいよ高まるサスペンス…といきたいところですが、元々お互いに信頼関係が希薄だったようですからね。
エイリアンがいなくても殺しあうのは時間の問題だったような気がします。
とにかくこの映画は特撮シーンが必見ですので、それに興味のない方には特にオススメしません。
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